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名探偵長谷部様 助手燭台切様
魔剣ナゾトキが現れて、本丸の刀たちに魔法をかけてしまいました。
『謎を解けば、カンタンに魔法がとける』と言い残して、箒に乗って飛んで行ってしまいましたが……。
さっぱりわかりません。助けてください。
審神者
事件の依頼を受けて、駆けつけた名探偵長谷部くんと助手の燭台切さん。
「この世の全ての謎は俺がへし斬ってみせるぞ」
「長谷部くん、へし斬るのは遡行軍だけにしようね」
「ふん。燭台なんぞ洒落たものを斬ったやつは言うことが違うな」
長谷部くんは気分を悪くしたのか、すたすた歩き始めました。
「もう、朝食の目玉焼きに醤油じゃなくてケチャップをかけたこと、まだ怒ってるのかい?」
「『まだ』じゃないぞ。俺はずっと怒っているんだ」
燭台切さんは肩をすくめながらも、後を追っていきます。
すでに審神者は避難しており、本丸には刀たちしかいません。
門を開けた瞬間、黒い影が襲いかかってきました。燭台切さんは刀を抜きますが、間に合いません。
「長谷部くん、気をつけて……!」
燭台切さんは黒い影に食べられてしまいました。呆然とする長谷部くんの鼻先で、門が閉まります。
長谷部くんが慌てて中へ入ると、助手がぐったり倒れていました。影は退散したようです。
「お前!よかった!」
「あ、長谷部くん。僕、僕は……」
何やら助手の様子がおかしいようです。
「僕の名前……なんだっけ」
「何を言ってるんだ、お前の名前は……あれ?」
なんということでしょう! 名探偵も助手も、助手の名前を忘れてしまいました。
「あの影野郎を捕まえればわかるはずだ…!」
名探偵長谷部くんは、事件を解決し、大事な助手の名前を取り戻すことを誓ったのでした。
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