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​無音の守り人

 博物館は私語厳禁だ。俺は長いこと静寂に包まれていた。だから人の身をとって数年経った今もまだ、音というものに慣れない。
 しかし戦場は、一つ聞き逃すだけで命取りとなる。耳をすませば、世界の音は次から次へと流れ込んでくるが、必要なものだけを選び取らねばならない。開戦を告げる法螺貝の音色、木々のざわめき、上空を旋回する鳶の鳴き声、戦場に飛び交う怒号、その中から部隊長の指示だけを。
「長谷部、驚きを頼んだぜ!」
「言われるまでもない!」
 足元に石の詰まった麻袋を引き寄せながら、反射的に空へ叫び返して唇を噛む。無駄なことをした。鶴丸に俺の声が聞こえるわけがない。
 鶴丸のいる地点は、ここ本陣から十キロ先だ。この本陣からは肉眼では見えないほど離れている。けれども俺には、鶴丸の声が聞こえるのだった。
「長谷部さん、こちら後方にもお願いします!」
 今度は堀川だ。鶴丸からやや北に位置する声に応じ、袋から握りやすい小石を二つ取り出す。
 目を閉じれば、がしゃがしゃと遡行軍の骸骨のような体が蠢く音が双方向から聞こえる。眼前の遡行軍にとびかかろうと空を切る鶴丸の右横に、一振り。大太刀の背後をとって今にもとどめの一撃を刺そうとする堀川の真後ろに、一振り。
――見えた。
 かっと目を開け、双方に向け力いっぱい投げる。数秒後、がしゃん、がしゃんと派手な音がしてほくそ笑む。間違いなく奴らの防具が全壊した。
 続いて、鶴丸と堀川の周辺から花火が爆ぜるような音がした。明らかに激しい打ち合いの音に、体がうずく。俺も、俺も刀を――いや、持ち場に戻らねば。
 すぐさま大木の影へ身を隠し、紫のカソックの裾をつまんで木の根の上へ座り込む。
 空を見上げると、薄く透明な膜が俺と世界を隔てていた。しゃぼん玉のようにふちが虹色に光り、刃先で突けば壊れそうにも見える。
 これが二二〇〇年代の陣幕だと、もし前の主に見せたなら何と言うだろう。如水様ならすぐに使い方を尋ね、それを聞いた長政様は短所を問うだろう。あの男ならきっと笑って、面白いと――。
 ふいに、景色がぐにゃりと歪んだ。陣幕に、誰かが触れた。
――侵入者か!
 かすかに足音がした方へ素早く振り返ると、ぎらりと光る黄金色の目があった。
「ただいま、長谷部くん。控えで退屈してないかな」
 一騎で何戦も交えてきたとは思えない、明るく爽やかな台詞が反響する。拡声器でも通したような声量に顔をしかめれば、金眼の男は返事をしない俺に気付いて申し訳なさそうにうつむいた。
「ごめん、君はこの中が苦手だったね。音が響いただろう」
「……お前の声だ、そううるさくもない。待つのも得意だ」
 俺の不愛想な返事に、男は顔を上げ、ほっとしたように微笑んだ。瞬きする度に、黄金の瞳から光の粒がこぼれ出ていく。その一瞬は、切り取って額縁に閉じ込めておきたくなるほど美しい。
 燕尾服についた土埃を軽くはたき、身なりを整える姿さえも様になる。燭台切光忠という刀は、人の姿でも一級の美術品だった。
 しかし美の権化はすたすたと歩いてくると、ぼんやり見惚れていた俺の額を指で弾いた。部隊一の打撃力だ、それなりに痛い。睨み上げると、黄金の目は弓なりに細められていた。
「前線で思い切り刀を振るいたいって顔をしてる。図星だろう?」
「まさか。一振りは本陣に待機、との主命だぞ。刀が持ち主の手を離れて、自分勝手に暴れるなど笑止千万だな。鳥羽にはびこる雑魚など投石で十分だ」
 木陰でしゃがみこむ俺に合わせて燭台切はその長身を屈め、顔を覗き込んできた。
「そうかい。僕は君の刀さばきが見たかったな」
 その囁き一つで、ふっと体が軽くなった。続く、かすかな笑い声さえもそよ風のような心地よさで耳へ入ってくる。木漏れ日を受け、まだらに輝く美貌が眩しい。弓なりになった黄金の瞳に、俺だけが映っている。
「嘘をつかなくていいよ」
 心臓が小さく跳ねた。この男は、時折こうして静かに人の心に踏み込んでくる。優しい手つきで絡まった糸をほどくように、そっと。その度、男の大きな手が、俺の刀を握ったなら、とたまらない気持ちになる。お前が使ってくれ、きっとよく斬れるから。
 けれども、燭台切はそうは思っていない。男にとって、他人の心の痛みを取り除くことは大したことではない。そういうことに長けた刀だった。
 俺は唇を噛んだ。思いあがるな、俺は刀だ。そもそも主人を選べる立場などではない。けして。
「嘘ではない。主のお考えは正しい。戦が長引けば資材も枯渇する。節約も戦略のうちだ」
「……そう。主、最近資材を出し渋るからね。手入れに足りないって騒いでるけど、新人くんのために無駄遣いしちゃったのかな」
 燭台切が肩をすくめた瞬間、遠くから博多の声が飛んできた。
「ここが一番の投資時たい!」
 会心の一撃が決まったのだろう、敵が後退る音が耳に入って安堵する。博多は先日の大阪城戦で本丸に来たばかりだが、鶴丸と組んでから動きがいい。
「さあ敵さんのおでましだ。博多、しゃがめ!」
 鶴丸の叫びに、やや遅れて足音が続いた。空を切る音、交差する刃の響き。ひとたび刀がぶつかりあえば、その波動は大気を震わせ心臓にまで響いてくる。
 俺の耳は、たとえ戦場の片隅にいても遠くで仲間がしのぎを削っているのがわかる。きん、きんと甲高い音は敵の短刀だ。きぃん、がんっと追い詰めるように打ち合う相手は、鶴丸だろう。二つの音が重なりあう。途端、片方がばきんと派手に砕け散った。数百の破片がざあざあと滝のように地面へ降り注ぐ。
「っ……!」
 鼓膜に突き刺さるような痛みを覚え、思わず両手で耳をふさぐ。慌てて音を拾う範囲を、半径二十メートルほどに狭めて息をついた。
「大丈夫かい。何か聞こえた?」
 燭台切はしゃがみ込み、わざわざ俺と目線を合わせて言った。右目の眼帯さえも洒落て見える美丈夫から目をそらす。
「何もない。鶴丸が敵を仕留めただけだ」
「破壊の音が聞こえたのかい」
 ぐさり、といやなところを突いてきた。戦場で燭台切と組むようになって長いが、この男は後ろを向いていても迷わず俺の方へ向かってくる。
 黄金の目は瞬きもせずに俺の姿を映している。何もかも見透かされるようで、ふいと目をそらした。
「少し聞きすぎただけだ。刀剣破壊の音など日に何度聞くと思っている。とっくに慣れた」
「長谷部くんは強いね。僕はなかなか慣れないな」
 燭台切の呟きに、はっと顔を上げる。黄金の目に、長い睫毛がかかって影を作っていた。
――僕には、嘘をつかなくていいよ。
 優しい声が耳の奥でこだました。本当は、俺もだ。俺も慣れない。思わず口を開きかけた瞬間だった。
「ぱきん、とあっけない、小枝を踏んだような音」
 燭台切の呟きに、重なり合いかけていた心がゆっくりと離れていくのを感じた。
 ぱきん、は初めの一音だ。それをきっかけに耳鳴りのような高い一音が辺りに響き渡る。折れた刃には稲妻のようにひびが入り、容赦なくばりばりと細かく分かれてゆく。大小の破片は飛び散り、その一つ一つが空をひゅうと切って、ざあざあと豪雨のごとく地に落ち、すべての音が消える。
 あれは刀の断末魔だ。悲痛な叫びはしばらく耳にこびりつく。それが、ぱきん、と軽い一音で終わるなど。燭台切には、耳をふさいだ俺が馬鹿らしく見えただろう。
「ははっ、幸せなことだ」
 俺が言うと、燭台切は肩をすくめた。
「また、主より先にゆきたい話かい?」
「違う」
 ふんと鼻を鳴らして人一倍世話焼きな男を小馬鹿にしたが、当の本人は眉を八の字にして腕を組んだだけだった。
「じゃあ、どうして今笑ったんだい」
 優しげに囁かれ、気づかないまま皺を寄せていた眉間をひと撫でされた。この刀は、美しい笑顔と裏腹に手強い。俺はしぶしぶ燭台切が納得しそうな答えを口にした。
「お前にとってそれほど儚い音ならば、折れた刀も無様な音を聞かせずに済み、ほっとするだろうと思った。それだけだ」
「なんだって?」
 急に強い口調で詰め寄られ、俺は口をつぐんだ。下手な台詞を吐いてしまったらしい。
 逃げるように顔を背け、まぶたを閉じて再び仲間たちの音に集中する。燭台切の方も戦の最中だということを思い出したようだ。大きなため息をつかれたものの、それ以上は追及してこなかった。
 燭台切に気付かれないよう小さく息をつく。誰もが俺と同じような破壊の音を聴いていないことなど、とっくの昔にわかっていた。
 それでも事実を突きつけられた瞬間、果てしない荒野でひとり立ち尽くすような心地がしたのだ。その衝撃を誤魔化そうとして、反射的に差し伸べられた手を払い落とした。それだけだ。
「堀川が遡行軍の一団をつぶした。ここから一つ先の林だな」
 俺の呟きに、燭台切は鬱蒼とした林を見やり感心したように頷いた。
「さすが、闇討ちはお手の物だ。鶴さんは?」
「まだ交戦中だ。すでに二振り破壊している」
「残り四振りか。そろそろ帰ってくるかな」
 血しぶきを浴びながらも躊躇なく刀を振るう鶴丸の音は、乱雑だ。極めてからは顕著だった。率直に言えば、耳障りだ。
 俺は頭を振った。やめろ。仮にも主が指名なさった部隊長と比べるものじゃない。主に求められるならば、腕がよいのは当然だ。加えて鶴丸はあの容姿だろう。
 鶴丸が修行から帰ってきた時のことを思い出す。極めた鶴丸を出迎えた主は驚きに目を見開いた。傍らにいた俺は、ほう、という感嘆のため息とともに、主の呟きを聞いたのだ。
 綺麗だよなあ、鶴丸。
 俺が修行から帰ってきた時は、そんな顔をしておられなかったのに。主のぎこちない笑顔が頭をよぎり、己の胸の飾り紐を見つめた。出迎えはきちんとしないと、と燭台切に固く結ばれた記憶だけが、俺のささくれだった心を慰め、その場をやり過ごす方法だった。
「長谷部くん?」
 燭台切の声で現実に引き戻される。
「ひょっとして鶴さんのこと考えてる?」
「違う。……あれがちゃんと仕事をしているか音を聞いていたんだ」
「ふうん。妬けるね」
 俺の頭の中を言い当てるくせに、まるで話が通じない。やけになって燭台切を睨めば、男は何がおかしいのか笑った。
 自分に何度言い聞かせても、俺の黒いカソックに愛想笑いを浮かべる主の顔が浮かび上がってくる。刀の切れ味だけではなく芸術的価値も認めてくださる心優しいお方だ。それなのに、なぜ息が詰まるのだろう。
「今日は鶴さん、珍しくのんびりしてるね。鳥羽だからかな」
 気付けば燭台切は片膝を立ててしゃがみこんでいた。黙り込んだ俺の代わりに遠くの様子を探ろうと、手で庇を作り、その影の下でもなお輝く目を細めている。見えるわけがないのに。
「もう戻るだろう。あれは新入りの前ではやけによく斬れる刀だからな」
 燭台切は何も言わずに視線を俺に移した。黄金の目は瞬く度に、熱い鉄を打つようにぱちぱちと火花が散る。火の粉が飛んできそうだった。
「なんだ」
「それ、前に僕が言ったことだなあと思って」
「そうだったか。知らぬ間に俺の評価にしていた。しかし元々がお前の評価ならば間違いないだろう」
 燭台切はにっこりして、目配せで俺に偵察の続きを促した。何も考えずに目を閉じてから、まるで一瞬、燭台切と俺の境界線がなくなったようだと思った。それに否を唱えなかった燭台切と、指摘されるまで気づかなかった俺、どちらが恥ずかしいかと言うと。頭を抱えて叫びたくなる気持ちを無理やり抑えこみ、今度こそ辺りの音に集中する。
 二十メートル、三十メートル、四十、五十。今いる林を抜け、やがて荒野が現れる。何にも阻まれずに勢いよく吹き付けてきた風が乾いた砂を巻き上げていた。
 そこで、何かが落ちたような鈍い音がした。風でごろりと地面に転がる。鞘か。続くうめき声に、俺は思わず立ち上がった。
「博多がやられた!」
 燭台切の顔つきが一瞬にして変わる。
「博多くんはどこに」
「南南西だ。……堀川も気づいたようだ。足音がそちらへ向かった」
「堀川くんはさっきの戦で利き腕をやられてる」
 ふいに近くで空を切る音がした。視界の端で何かがきらめく。――上だ。
 燭台切に注意する間もなく、銀色の破片が飛んできた。その鋭い切っ先が地面に突き刺さった瞬間、白い陽光は一点に集まり、白髪にゆったりとした白衣が眩しい男の姿をとった。
 鶴丸国永だ。
 普段から外見だけは神様然とした男だが、より一層神々しく輝き、無表情で宙に浮く様に俺たちは瞠目する。腰に刀がないことだけが、部隊長である鶴丸との違いだった。
「鶴さん?」
 燭台切の問いに、男は答えず黄金の目を素早く左右に走らせた。
「燭台切、長谷部、急ぎだ」
 男の閉じたままの薄い唇から、透明な声がこぼれ出る。
「検非違使が出た。堀川・博多と応戦中。堀川は中傷。博多が重傷、重装兵一つのみ。一振り増援頼む」
 黄金の目は確認するように俺たちを見回すと、軽く頷いてふっと姿を消した。地面には、ごく小さな刃の欠片だけが残っている。俺たちは顔を見合わせた。
「検非違使だと? 鳥羽だぞ、今の男は本当に隊長か?」
 燭台切は厳しい顔をして左手の黒革の手袋を外すと、素手で刃の欠片を拾い上げ、表裏を何度も返してから懐にしまった。
「鶴さんの刃だね。彼の好きな香の匂いがする」
 燭台切の大きな手が顔に押し付けられ、甘ったるい香りがふわりと鼻腔をくすぐった。記憶にない匂いだった。
 俺の知らない決め手が二人を結び付けているようで胸がちくりとしたが、無理やり飲み込む。
「戦に洒落こむとは、無意味な。隊長だな」
「こんな遊びの術を戦に使うのも、彼らしいしね」
 俺は深く頷いた。
 刀剣男士は丈夫だ。多少刃こぼれしたところで、主より手入れさえ受ければどうということはない。こぼれた刃の欠片に少し力を流し入れるだけで、己にそっくりの影法師が出来上がる。刀剣男士の間で一時期流行ったお遊びだが、これを戦に持ち込むのは確かに新しいもの好きの鶴丸らしかった。
「急ぐか。まだ双方打ち合っている」
「博多くんが心配だね」
 博多には、まだ検非違使を相手にできる力はない。重傷を負ったなら尚更だ。
 あれも今にいい刀になる。一期はそろばんばかり弾いていると嘆いていたが、燭台切はそれが気に入っているようだし、俺は男士としてもなかなか良い線をいくと思っている。昨日も手合わせで筋がいい、と褒めてやったばかりだ。頭を撫でてやった時の、博多のはにかんだ笑顔が脳裏をよぎった。
 鯉口を切る音で、はっと我に返る。燭台切は手袋をはめ、防具を結び直していた。
「長谷部くん、ここは任せたよ」
「待て。またお前が前線に出るのか」
「そうだよ」
 燭台切はこともなげに言い、俺は絶句した。
「お前、今日は一戦終えただろう。しかもこの後しんがりだ! ここは俺が行くべきだ」
「だめだよ、長谷部くん。統率が高い僕が行こう。このところ配給も少ないだろう、主の言う通り手入れ資材を節約しないとね。いざという時のために一振り温存するのは定石だ」
「その時が今だ」
 燭台切はかぶりを振り、俺が反論する前に素早く刀を抜いた。丁寧に研がれた刃が勢いよく俺の鼻先に突きつけられる。
「ここにいてくれ。いつも通り、偵察と投石を」
「……わかった」
 差し出された黒塗りの鞘を渋々受けとると、ようやく刃が下ろされた。
「僕は、君の刀だ。必ず鞘の元に帰ってくる」
 燭台切の力強い視線に心臓ごと射抜かれる。
 俺はこの黄金色が好きだった。世界のてっぺんに昇った真昼の太陽のように、どんな逆境をも跳ね返す力のこもった視線をくれる。戦場でも、本丸に帰ってもそれは同じだ。うつむく仲間の顔を上げさせることにかけて、この男の右に出る者はいなかった。
 燭台切は常につつましく微笑んでみせるが、男士としての俺が扱うには手が余る刀だ。男士としては、俺よりずっと。
「お前の勝利を」
 俺は鞘を抱き、まっすぐに見返した。燭台切は深く頷き、抜き身の刀を引っ提げ、仲間の方へ駆けていった。
 その姿が見えなくなってすぐ、俺は小石の詰まった麻袋をひっつかみ、三つ手に取って方々へ投げた。西北西、南、南南西。
 数秒後に南南西で聞き慣れた鈍い音がし、ほくそ笑んだ。あれは防具に当たって壊れた音だ。そら見ろ、俺の刀の道を阻むからだ。
 燭台切であれば、心配は無用だ。仲間を救おうとひた走る男の背後へ、ゆっくりと忍び寄る遡行軍どもの防具が、がしゃがしゃといやな音を立てる。
「なめるな。その程度の隠蔽で、俺の耳を誤魔化せると思うなよ……」
 再度刀装をはがしてやろうと、石を握って振りかぶった瞬間だった。ふいに金属が爆ぜる音がした。
 俺は腕を下げ、先ほど石を投げた方角を見据えた。琴を無茶苦茶にかき鳴らしたような、鉄の破片が散らばる音が鼓膜を突き刺した。一騎、やったか。
 ややあって、堀川が我を忘れたような叫びを上げて、敵に斬りかかっていった。闇討ちが得意だと本人が言うように普段から静かな刀で、戦場でもこれほど音を立てて動くことがない。何かあったな。
 眼を閉じて音に集中し、刃が競り合う音を数えた。派手な音、甲高い音、時折混じるやや静かな音、そして――。
 俺は額の汗をぬぐい、雲一つない青空を見上げた。

(つづく)

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