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【END2-あいつが探してくれた】
「おい——誰か!そこにいないか!」
声を上げると、意外とすぐ返事があった。
「長谷部くん!もしかして穴に落ちたの?今すぐ紐を垂らすから、待っててね!」
「ああ、すまなかった。」
あいつの声だ。安心した。さっきまで抱いていた恐怖も不安も、まるで嘘のように消え失せた。
「長谷部くん、大丈夫かい? 下は暗くて、きっと怖かっただろう…」
「ああ、そうだな。」
「え?ちょっと意外だったね…」
「どういう意味だ!」
「いや。君はかっこよくて、何も怖くないように見えるから…」
「そうか? 褒め言葉として受け取っておこう。でも大丈夫だ。」
「うん?」
「お前が探してくれたんだろう?」
「長谷部くん……」
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「なんだ。まだ昼なのか。」
「え?下はそんなに暗かったの……?」
「そうだ。お前ならきっと道が分からないだろうな。」
「えー」
HAPPY END.
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