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それからさっき回した出口に向かった。
長谷部くんとともに石を持つことで、僕は石を介して長谷部くんの手を引っ張ることができるようになった。
「そこ、そっき行ったけど何もないぞ……」
ぶつぶつ呟きながらも、長谷部くんは僕の後ろについてきた。
右、左、右、左、左、左 の順番で歩く。そうしたら出口は、すぐそこに。
「なんだこれ、さっきはなかったのに……」
そこには大きな扉があって、壁に星の穴があった。
「これをはめればいいんだろう?」
と、長谷部くんがその石をはめた。
すると、扉がガタガタと開いて、その後ろから強い光が差してきた。
それと同時に、僕の意識が一瞬どこかに消えた気がした。
「……眩しい!」
それが、僕が最後に聞いた言葉だった。
眩しすぎたせいかもしれない。
長谷部は傍でピカピカ輝く光が、次々と消えていったことに気づかなかった。

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